瑞泉寺 龍王堂境内に龍神様がまつられています。
寺録によれば、三世却外乗空禅師は、異朝の人(外国の人)でしたが、二世日山良旭禅師の法を嗣いで(ついで)徳望高く、多くの人を教化されました。
その禅師説法の度毎に、かかさずその法座に連なって、熱心に法を聞く女人がいました。
禅師は不思議に思われ、「どなたか?」とたずねられました。
女人は、「私は辱かしいことでありますが、この地に棲む龍王の娘で蛇身であります。どうか禅師により戒法を受けて仏法に帰依し、この苦輪を脱したい。」と、切々の情をのべたので、禅師は不憫に思って、願いにしたがい戒法を授けました。すると、忽ち蛇身を脱して成仏したということです。
そして禅師に告げて言うには「我等、教誡(きょうかい:教えいましめること)を蒙る(こうむる:いただく。たまわる。)、今より以後身を山中に潜め、永く山門の守護神となり、願いにしたがい諸人にご利益を与えん」と言い終えると蛇骨だけを残し、その身を深く山中にかくしたということです。
今この因縁によって山を龍蟠山(りゅうばんざん)と号し、当山鎮守大運威徳龍王と称し、龍王堂にその霊骨が奉祠されております。

